「水」を補助線として、京都の森・街・流通の背後にある文化的構造を読み解きます。工藝や伝統文化を担ってきた人びとの知恵にふれ、現代社会の固定化された視点をゆるめ、新たな視座を育むための、パースペクティブならではの学びの旅。
京の都は、周縁の資源の恩恵を受け、流通インフラが整備されたことにより富と知が集約し、文化が盛えてきました。京の都は、周囲の山々や川、森といった自然資源の恩恵を受け、それらを活かす流通インフラを発展させることで、富や知を蓄積し、独自の文化を花開かせてきました。このプログラムでは、伝統産業の息づく京都の町なかから、かつて平安京を築くために木材が供給された京北の山間部へ、さらに奈良・京都・滋賀をつなぐ水陸交通の要衝として栄えた宇治の地域まで、流域を繋いだフィールドワークにより、都市と自然の関係性をたどります。私たちの経済活動を、自然の生態プロセスにとってポジティブなものへと変えていくためには、生態系の重要な単位である「流域」に基づいて世界を捉え直す視点が不可欠です。都市とその背後にある自然環境をつなぐ「流域」という枠組みを通じて、文化・産業・暮らしの背景にある地理的・歴史的な構造を読み解きます。
本ラーニングツアーでは、工芸・造園・茶道・芸能・仏教や神道といった異なる伝統に根ざした日本人のライフスタイルを生きる人々との対話と、森や街でのガイドウォークを通じて、産業やインフラ、社会活動の形跡をダイナミックにつなぎ直していきます。こうした経験を重ねるなかで、参加者は自らの固定観念や視野の限界に気づき、哲学・歴史・経済・社会・生態といった分野を横断しながら、複雑に絡み合った世界を読み解く新たなまなざしを養っていきます。近代の科学や産業によって定義されてきた「価値の指標」を問い直すためには、哲学や歴史、人類学といった、人間の営みや問いから生まれた知の蓄積(=人文知)が役に立ちます。文化は、そうした知の軌跡を私たちに見えるかたちで示してくれるものであり、現代の合理性とは異なる価値のあり方を浮かび上がらせてくれます。
本プログラムでは、実践者たちとの出会いや、身体を通じた触覚的な体験を、丁寧なファシリテーションによって繋いでいきます。それにより、単なる受動的な観察や表面的な消費を超えた、深い理解が育まれるよう設計されています。
これらの手法は、私たち自身が地域の研究機関との継続的な連携を通じて学んできている人類学におけるエスノグラフィー(民族誌的手法)に基づいています。また、環境教育やネイチャーガイドの分野で発展してきた「インタープリテーション(解説・通訳的手法)」を取り入れ、私たち独自のファシリテーション方法へと発展させています。
こうした手法と設計を通じて、単なる観光コンテンツとは決定的に異なる「見方」を育み、これまで見えていなかった世界のあり方が立ち現れることを目指しています。
本プログラムは、個人参加のほか、企業や団体での研修プログラムとしてのカスタマイズ提供も可能です。
など、目的や対象に応じて柔軟に設計いたします。
以下のような形式で導入いただけます:
法人での導入をご検討の方は、以下のフォームよりお問い合わせください。
ご希望に応じて、オンライン面談にてご説明・ご提案いたします。
過去の具体的な実施例(日数・内容・講師陣)などは、面談時に共有させていただきます。