工藝が体現してきた、人と自然との対話的な関係にインスピレーションを得て、私たちは「自然・文化・つくること」のつながりを、流域という視座から探究しています。拠点とする京北は、古の都・京都の文化を育んできた、森と水の源流域。この自然資源に支えられてきた都市・京都と、山里に息づく暮らしや素材の現場とを行き来しながら、教育プログラムやレジデンスなどの事業を通して、地域に根ざした学びと実践の場をひらいています。森とともに学ぶ「工藝の森」、地域を深掘りするレジデンス拠点「風/Fuu」、地域の素材を手にしたものづくりのためのシェア工房「ファブビレッジ京北」など、それぞれの現場で実践を支える複数の拠点を運営しています。
私たちの活動は、ふたつの風景を行き来することで展開されています。
ひとつは、森と川に囲まれた山里の地域・京北。
もうひとつは、千年の都としての文化的構造を持つ京都市内です。
京北は、京都市街から車で約45分。神社仏閣や町家をつくる木材や素材の供給地として都の文化を支えてきました。いまも林業や農的暮らし、手仕事の中に受け継がれる知恵がのこる一方、人口減少や森林の継承といった課題にも直面しています。
京都市内は、文化の蓄積と複雑な現代的課題が重なる都市です。長い歴史の中で築かれてきた空間構造、文化的感受性、精神的価値が今も息づく一方で、オーバーツーリズムやインフラの老朽化、気候変動への対応の必要性といった都市的課題も抱えています。
私たちは、このふたつの地域を往来しながら、上流と下流、自然と文化、素材と制度のあいだにあるつながりを、対立ではなくひとつの生きた全体として捉えています。
レジデンスは京北を拠点に、土地と深く関わる滞在を。
教育プログラムは京都市内をベースに、文化の構造や都市の課題と向き合う視座を育んでいます。
日本各地の工芸の背景にある物語を紹介するブランドを運営する中で、次第にその“源流”――森や川、風土そのものへと関心を広げていった。その探究は、「文化と自然、そして人が手を動かして何かをつくること」がどう結びついているのか、という問いへとつながっていく。“工藝”を、単なる技術や伝統ではなく、「世界との関係の結びなおし方」として捉えている。現在はパースペクティブで、リサーチ・教育・土地に根ざしたモノづくりを通じて、こうしたつながりを探るプログラムを企画・運営している。
京都で100年以上続く漆精製所「堤浅吉漆店」の四代目。家業を継ぐ中で、漆の需要や知識、担い手の減少など、産業の脆さに気づく。伝統的な用途にとらわれず、建築や自転車など現代的なかたちでの漆の可能性を模索。無類のサーフィン好きでもあり、PERSPECTIVEでは木製漆サーフボードの受注生産を担っている。
Williams College
大阪大学エスノグラフィー・ラボ
京都工芸繊維大学
KYOTO Design Lab
京都精華大学
Kyoto Inspiration & 伝統産業イノベーションセンター
ual: Central Saint Martins Material Futures
FabCafe Kyoto
ROOTS
Discover Noh in Kyoto
Tsutsumi Asakichi Urushi Store
Asahi-yaki
Nishimura Urushi Atelier